脳汁生活。

脳汁生活

無重力アパシーなる日々。

赤い顔した男の人

こんにちは、たっくん、たまに図2 (@usagoke_poepoe) です

 

渋谷にある中華料理屋に、大学時代によく行きました

 

特別に美味しいわけじゃない日本人好みにデフォルメされた、「よくある」中華料理を、これまた日本人が勝手にデフォルメしたような、「よくある」中国人が、愛想もない片言の日本語でサーブするような店でした

 

ただ、安くて、量も多くて、味もまあ普通に美味しいから、足繁くというわけでもないけど、「中華食べたいな」と思った時に、候補に挙がるようなお店です

 

安いから、学生というか(同じことを考えてる)若者も多く、店は常にガヤガヤと賑わっていました、はっきり言って、デートでこの店を訪れでもしたら、「ニンニク臭い」を理由に、あえなく、本日の目的を達成することなく、ハチ公前でサヨナラすることになるかもしれません

 

 

ある日、中華を食べたいと思った僕は、彼女を誘いました

 

 

テーブル席やカウンター席の他に、円状にソファーがあり、テーブルが等間隔に置かれた席があり、居酒屋と、バーと、定食屋を足して3で割ったような独特な雰囲気の店には、若者の甲高い笑い声でどよめいていました

 

本当は、テーブル席がよかったけれど、店の混雑からか、面倒くささからか、僕と彼女は円状のソファー席に座るように、無愛想に案内されました

 

カクテルパーティー効果という言葉のとおり、騒がしい店内も、空心菜のニンニク炒め(これが何だかんだの鉄板です)をつまみながら、嚙み切れないところは、ビールでグイッと流し込み、彼女と楽しくお喋りしていれば、まあ、気にならないものです

 

ただ、長い関係のカップルであれば、実際、そんな話をすることもないわけです、週1くらいのペースで会っていれば、お互いの生活に大きな進展があるわけでもないし、尚更です

 

だから、2人の感性の合致を1つ1つ組み合わせていくかのように、ジョブを打つ

 

「何だったら、面白いかな~」何気なく、さり気なく、2人で言葉を交わし合わせるわけでもなく、ネタ探しを始めていくのです

 

案の定ひとしきり、料理とお酒と会話を楽しんだ後は、まるで、自分たちがこの店の支配者であるかのように、スッと目線を上げ、辺りを傍観します

 

公共の場の人間、特に何かに集中している人間の所作は、まあ、面白い

 

円状に席が用意されていることが幸いで、ちょうど、面白そうな(失礼だけど)カップルを見つけた

 

カクテルパーティー効果など、どこに行ってしまったのか

 

30代前半から中頃と思われるカップル、付き合いはまだ浅そう・・・お互いの目線、相槌のタイミング、目の合わせ方、食事のとり方、お酒の飲み方、注文の仕方、どれを取っても、ぎこちない

 

特に、男性が目に入って離れない、ひどい話ですが、女性のことはほとんど覚えていません

 

それくらいに特徴のある男性だったのです

 

明らかにオーバーサイズのワイシャツに、癖毛のショートヘア、俳優の伊藤淳史さんを想像していただけるといいかもしれません

 

とにかく、冴えない、そんな男性です

 

その男性がとにかく、飲みます、まあ飲みます、明らかにオーバーペースです、隙あれば飲みます、明らかに会話が止まり、エビチリと餃子があと1個ずつしかない状況で、どっちがどっちを?!という困惑の中でも飲みます

 

僕の22年間の浅はかな経験から申し上げますと、お酒が進むパターンは2通りです

 

1つは、食事がとにかくお酒に合う時、ちょっと濃い目の味付けで、濃厚、単品ではクドイ・・・という一品に、ビールの組み合わせは至高です、猫に小判ならぬ、猫に猫じゃらしです、というまさに呑むためのお酒というパターンです

 

2つ目は、とりあえずやることも話すこともなくて、かと言って、だんまりしているのも、なんだか落ち着かないから、緊張するから、とりあえず、飲んで、舌の回転数を上げていこうというガソリンのための、お酒というパターンです

 

この男性の場合、明らかに後者です

 

緊張を和らげるための心の潤滑油としてのお酒は、いつしか、心をタフに、自分に自信をつけさせる増強剤となり、女性を楽しませるためのトークを演出する、ガソリンとなります

 

味を占めたのか、男性はどんどんお酒を頼みます、酔いなのか、慣れなのか、どんどん饒舌になります

 

ですが、明らかに、明らかに顔が、顔が真っ赤です、タコです、茹でダコです、渋谷に茹でダコです

 

本当にマズいのでは?と心配するほどに真っ赤なので、当初はいやらしく、ニヤニヤと観察していた僕らですが、いつしか救護班のような気持ちでその男性を見つめていました

 

カップルは立ち上がり、男性はとても気持ちよさそうにしていました、女性は少し困っているようです

 

「ぼ、僕が払うから~!」とややふらつきながら、会計を済ませ、店を出ていきました・・・

 

女性はスマートな男性が好きです

 

その男性の雄姿をしっかりと見据え、僕は彼女にこう尋ねました

 

「あの男性、どうだった?」

 

「いや、どうってより、とにかく心配だわ」

 

でも、中には、そんな男性が可愛くて可愛くて仕方がないという、女性がいるのかもしれません

 

「モテ」にはきっと色んな種類があり、それを戦略的に作り、戦略的に打つのが「モテる」人なんだろうなと感じた渋谷の夜でした

 

ぴょいぴょい!